恋愛心理カウンセラーの山田凛子です。今回は、心理学者アーサー・アーロン博士が研究した「恋に落ちる36の質問」について、マッチングアプリでの活用方法を中心に解説します。
この質問セットは、短時間で相手との親密度を高められると科学的に実証されており、適切に使用すれば関係構築の強力なツールとなります。
心理カウンセラーとしての経験を活かし、実践的なアドバイスと共にご紹介していきましょう。
恋に落ちる36の質問とは
マッチングアプリで出会った相手と、どうすれば自然に親密になれるのか――。そんな悩みを抱える方に、心理学の研究に基づいた興味深い手法をご紹介します。
心理学的根拠と効果

「恋に落ちる36の質問」は、アーサー・アーロン博士が1997年に発表した研究から生まれました。当初は学生同士の親密な人間関係構築を目的としていましたが、実験に参加した男女の一組が6ヶ月後に結婚するという予想外の結果が出たことで注目を集めました。
私の心理カウンセラーとしての経験からも、この手法の効果は非常に興味深いものです。特に、マッチングアプリで知り合った相手との関係構築に悩む方には、以下の3つの点で効果が期待できます。
- 段階的な自己開示による心理的距離の縮小
- 共感と理解を深める質問構成
- 価値観の一致・相違点の自然な理解

相手のことを知りたい気持ちは大切ですが、一方的な質問攻めは逆効果です。お互いの回答を通じて自然な会話を育んでいくことが重要です。
科学的な仕組み
なぜこの36の質問が効果的なのでしょうか?その秘密は、人間の心理に関する2つの重要な発見に基づいています。
- 段階的親密化効果: 軽い質問から始まり、徐々に深い質問へと進むことで、自然な形で心を開くことができます。マッチングアプリでよく見られる「趣味は?」「休日は何してる?」といった表面的な会話から一歩踏み込んだコミュニケーションが可能になります。
- 互恵的自己開示: 質問者が先に答えることで、相手も安心して本音を話せる環境が作られます。これは私がカウンセリングでも重視している「心理的安全性」の確保につながります。
特に注目すべき点は、この手法が単なる質問のやり取りではないということです。各質問は、以下の要素を含むように慎重に設計されています。
- 個人の価値観を探る質問
- 人生観や将来の展望に関する質問
- 感情や弱さを共有できる質問
ただし、ここで重要な注意点があります。この手法は決して魔法のような即効性があるわけではありません。むしろ、お互いをより深く理解するためのきっかけづくりとして捉えることが大切です。
次のセクションでは、36の質問の具体的な内容と、マッチングアプリでの実践方法についてご紹介していきます。
36の質問の全内容
マッチングアプリで相手との会話が深まらないと感じている方は多いのではないでしょうか。36の質問は、そんな悩みを解決する効果的なコミュニケーションツールです。まずは、36個の質問の全容をご紹介します。
36の質問リスト
- この世界の誰とでもディナーができるとしたら、誰と食事をしたいですか?
- 有名になりたいと思いますか?どのような方法で?
- 電話をかける前に、話す内容を練習することはありますか?その理由は?
- あなたにとって「完璧な日」とはどんな日ですか?
- 最後に1人で歌を歌ったのはいつですか?また、誰かに対して歌ったのはいつですか?
- あなたは90才まで生きられ、最後の60年間を「30才の頃の肉体」か「30才の頃の精神」のどちらかを保つことができます。どちらを選びますか?
- 自分がどのように死ぬか、何か予感はありますか?
- 自分と相手の共通点を、3つ挙げてください。
- 人生で最も感謝していることは何ですか?
- 自分の成長過程の一部を修正することができるなら、どんなことを変えたいですか?
- 4分間、あなたがこれまでどんな人生を歩んできたのか、できるだけ克明に説明して下さい。
- 明日の朝、目が覚めたときに何らかの才能や能力が身についています。どんな能力がいいですか?
- もしも「真実のあなた」や「あなたの人生」「将来」を教えてくれる水晶があったら、何を知りたいですか?
- ずっと夢に見てきたことがありますか?あるなら、なぜ実現させていないのでしょう?
- これまでの人生で達成した、一番の偉業は何ですか?
- 友情において最も価値のあることは何ですか?
- 一番大切な思い出は何ですか?
- 一番最悪な思い出は何ですか?
- 1年後に死ぬことが分かったとしたら、現在の生き方を変えますか?その理由は何ですか?
- あなたにとって「友情」とはなんですか?
- あなたの人生の中で「愛・愛情」はどのような役割を果たしていますか?
- 相手の長所を5つ挙げてください。お互い交互に1つずつ述べて下さい。
- あなたは家族と仲が良いですか?子供時代は、他の人よりも幸せだと感じましたか?
- 母親との関係をどう感じていますか?
- 「私たちは」で始まる文章で、今の状況を3回描写して下さい。例えば「私たちはこの部屋にいて……と感じている」など。
- 「……を共感できる人がいればいいのに」という文章を完成させてください。
- もしも、今話している相手とより深い関係になるとして、あなたについて相手が知っておくべき重要なことは何ですか?
- 相手の良いところは何ですか?初対面の人には言わないようなことを挙げて下さい。
- 恥ずかしかった体験を相手に話してみて下さい。
- 最後に他人の前で泣いたのはいつですか?1人で泣いたのはいつですか?
- 相手のどんなところが好きですか?
- あなたにとって、冗談にできないこととは何ですか?
- 今夜死ぬとしたら、誰かに何かを告げなかったことで、一番の心残りは何ですか?なぜ、そのことを言わなかったのですか?
- 大切なものが全て詰まった家が火事になってしまいました。家族とペットを助け出した後、何か一つだけ取りに行くことができます。何を取りに行きますか?その理由は?
- 家族の中で誰の死が最も悲しいですか?その理由はなんですか?
- 個人的な問題を打ち明けて、相手からアドバイスを受けて下さい。また、その問題を抱えるあなたがどんな気持ちでいるのか、相手に想像・描写してもらって下さい。
それでは、これらの質問をレベル別に詳しく見ていきましょう。
レベル1:基本的な質問(Q1-12)
最初のレベルでは、比較的答えやすい質問から始まります。相手の価値観や考え方を緩やかに探ることができます。
以下が具体的な質問例です。
- この世界の誰とでもディナーができるとしたら、誰と食事をしたいですか?
- 有名になりたいと思いますか?どのような方法で?
- 電話をかける前に、話す内容を練習することはありますか?

マッチングアプリでは、最初の質問から深い内容に入ると相手が身構えてしまいます。このレベル1の質問は、相手の警戒心を解きほぐすのに効果的です。
レベル2:価値観を探る質問(Q13-24)
このレベルでは、より個人的な価値観や人生観に触れる質問が登場します。相手の内面をより深く理解できる段階です。
代表的な質問をご紹介します。
- 長年叶えたい夢はありますか?なぜまだ実現できていないのでしょう?
- 友情において最も大切にしていることは何ですか?
- 人生で最も感謝していることは何ですか?
マッチングアプリでこのレベルの質問をする際の重要なポイント
- 相手の答えに対して否定的な反応は避ける
- 自分の回答を通じて価値観の共有を心がける
- 答えたくない質問はスキップできることを伝える
レベル3:深い自己開示の質問(Q25-36)
最後のレベルでは、より親密な関係性を築くための質問が含まれます。ここでの質問は、感情的なつながりを強化する効果があります。
主な質問例
- 相手の良いところを具体的に教えてください
- 最後に人前で泣いたのはいつですか?
- 今の状況を「私たちは…」で始まる文章で表現してください
❗ 注意点 レベル3の質問は、相手との信頼関係が築けていない段階では避けましょう。マッチングアプリでは特に慎重に扱う必要があります。
私のカウンセリング経験から、このレベル3の質問は以下のような場合に効果的です。
- 数回のビデオ通話を経た後
- メッセージでの会話が充実している時
- お互いの趣味や価値観について理解が深まった段階
次のセクションでは、これらの質問をマッチングアプリで実践する際の具体的な方法について解説していきます。相手との関係性に応じた質問の選び方や、適切なタイミングについてお伝えしていきましょう。
マッチングアプリでの活用方法
せっかくの36の質問も、使い方を誤れば逆効果になりかねません。私が心理カウンセラーとして多くのクライアントから相談を受けてきた経験を基に、マッチングアプリでの効果的な活用方法をお伝えします。
相手への誘い方
いきなり「36の質問をしましょう」と切り出すのは、相手に警戒心を抱かせる可能性があります。代わりに、以下のような自然な誘い方をお勧めします。
✅ おすすめの誘い方
❌ 避けるべき誘い方
タイミングの選び方
マッチングアプリでの会話は、段階的な信頼関係の構築が重要です。以下のタイミングを意識しましょう:
- マッチング直後: まずは通常の会話で相手のことを知る時期。この時期は36の質問は避けましょう。
- 会話が安定してきた時期: 基本的な情報交換ができ、お互いに興味を持ち始めた段階。レベル1の質問から始めるのに適しています。
- 深い会話ができ始めた時期: 価値観や考え方について話せるようになった段階。レベル2、3の質問に進むことができます。

マッチングアプリでは、相手のペースを尊重することが何より大切です。全ての質問を一度に行う必要はありません。
注意点とリスク管理
36の質問を実践する際は、以下の点に特に注意が必要です。
- プライバシーの配慮
- 個人情報に関する質問は控えめにする
- 答えたくない質問はスキップできることを明確にする
- 相手の回答を他者と共有しない
- 感情的な配慮
- 相手が不快感を示した場合はすぐに中止する
- トラウマティックな質問は避ける
- 相手の反応を慎重に観察する
- セキュリティ面での注意
- 初対面でデリケートな情報は共有しない
- 実際の対面前に深すぎる質問は避ける
- 相手の回答を記録・保存しない
私の経験上、最も重要なのは相手との信頼関係です。マッチングアプリでこの質問を使う際は、通常の会話の中に自然に組み込んでいくことをお勧めします。
次のセクションでは、36の質問の効果を最大限に引き出すための具体的なコツについて解説していきます。
効果を最大化する5つのコツ
長年の心理カウンセラーとしての経験から、マッチングアプリで36の質問を活用する際の効果的なアプローチをご紹介します。相手との関係をより深めるための具体的なテクニックをお伝えしていきましょう。
段階的な質問の進め方
質問を効果的に進めるには、相手の反応を見ながら段階的にアプローチすることが重要です。
✅ おすすめの進め方
- 軽い会話から始める
- 相手の興味を引く質問を選ぶ
- 反応を見ながらペースを調整する

私のカウンセリングでは、一日2~3個の質問から始めることをお勧めしています。急いで全ての質問を消化しようとするのは逆効果です。
適切な返答の仕方
質問への回答は、関係性を深める重要な機会です。以下のポイントを意識しましょう。
- 具体的に答える
- 良い例:「去年の夏祭りで、友達と花火を見たときが最高の思い出です」
- 避けたい例:「楽しかった思い出はたくさんあります」
- 感情を含める
- 良い例:「その経験は私にとって特別で、今でも胸が温かくなります」
- 避けたい例:「そういうことがありました」
- 相手の回答に共感を示す
- 良い例:「その考え方、すごく素敵だと思います。私も似たような経験があって…」
- 避けたい例:「なるほど、そうなんですね」
相手への配慮のポイント
マッチングアプリでの会話では、特に以下の点に気を配ることが大切です。
- 心理的安全性の確保
- 相手の答えを否定しない
- プレッシャーをかけない
- 適度な相づちを打つ
- 会話のペース配分
- 相手の返信時間に合わせる
- 急かさない
- 休憩を提案する
- プライバシーへの配慮
- 個人情報の扱いに注意
- 答えにくい質問はスキップ可能に
- デリケートな話題は慎重に
❗ 重要な注意点 マッチングアプリでは、相手の本音を引き出すことよりも、安全で心地よい会話の場を作ることを優先しましょう。
以下のような場合は、すぐに質問を中止することをお勧めします。
これらのコツを実践することで、36の質問は単なる質問リストではなく、お互いをより深く理解するための効果的なコミュニケーションツールとなります。
次のセクションでは、よくある質問への回答と、さらなる実践的なアドバイスについてお伝えしていきます。
よくある質問と回答
マッチングアプリユーザーから私のカウンセリングでよく寄せられる質問について、実践的な回答をご紹介します。これらの情報は、36の質問をより効果的に活用するためのヒントとなるはずです。
所要時間について
「36の質問にどのくらいの時間がかかりますか?」という質問をよくいただきます。
✅ 推奨する時間配分
- 全質問を一度に行う場合:3~5時間
- 分割して行う場合:1回30分~1時間×3~5回

マッチングアプリでは、一度に全ての質問を消化しようとせず、以下のような分け方をお勧めします
1日目:レベル1の質問(4~5個) 2日目:レベル1の続き(4~5個) 3日目以降:相手との関係性を見ながらレベル2へ
オンラインでの実施方法
マッチングアプリならではの特徴を活かした実施方法をご紹介します。
効果的なアプローチ
- チャットでの段階的な質問
- ビデオ通話での対話
- 音声メッセージの活用
❗ 注意点
- ビデオ通話は信頼関係構築後に提案する
- 相手の都合に合わせて柔軟に対応
- オンラインならではの距離感を大切にする
成功率を上げるコツ
私の経験から、以下の要素が成功率に大きく影響すると考えています。
- タイミングの選択
- マッチング直後は避ける
- 基本的な信頼関係ができてから始める
- 相手の気分や状況を考慮する
- 会話の質
- 相手の回答に対して具体的な共感を示す
- 関連する自分の経験を適度に共有する
- 質問と回答の深さをバランスよく保つ
- 継続的なフォローアップ
- 過去の回答を適切に記憶し、言及する
- 相手の価値観を尊重した会話を心がける
- 深まった関係性を大切に育んでいく
よくある失敗パターン
- 急いで全質問を消化しようとする
- 一方的に質問を投げかける
- 相手の答えを表面的にしか聞かない

36の質問は、関係構築のためのツールであって、目的ではありません。この質問を通じて生まれた会話の機会を大切にし、自然な関係性の発展を目指しましょう。
まとめ
「恋に落ちる36の質問」は、マッチングアプリでの出会いをより深い関係性へと発展させる可能性を秘めています。しかし、その効果を最大限に引き出すには、相手への思いやりと適切なコミュニケーションが不可欠です。
この記事で紹介した方法を参考に、ぜひ実践してみてください。そして、何より大切なのは、お互いを理解し合おうとする誠実な姿勢です。
皆さんの素敵な出会いと関係構築を、心理カウンセラーとして心より応援しています。
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